厚生労働省の発表によれば、2012~2017年度に業務上のストレスによる精神疾患で労災認定された過労自殺は497件ありました。労災認定された過労自殺のおよそ半数が、精神疾患の発症から6日以内に起きていることがわかりました。発症から期間が短いほど自殺が起きやすい傾向が出ています。
発症に影響したとみられる出来事は、恒常的な長時間労働の201人が最多でした。仕事内容・仕事量の大きな変化が177人、2週間以上にわたって連続勤務が109人でした。亡くなる前に病院で受診したことを確認できたのは4割弱の179人です。発症直前1カ月間の時間外労働が160時間を超えるなどの極度の長時間労働があった88人のうち、受診者は2割強にとどまっています。
発症につながる大変な出来事が起きてから慌てて対策を講じても間に合いません。日ごろからストレスチェックや相談態勢を整えておくことが大切です。
(2021年10月27日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)