国土交通省は、他人同士が同乗するタクシー相乗りを11月1日から全国で解禁すると発表しました。配車アプリを通じ、同じ方向に行く人を調整し、運賃は乗車距離で案分するため、単独で乗るより割安になります。業者側の準備が必要で、実際のサービス開始は数カ月先になる見通しです。新型コロナウイルス感染対策で、3人掛けの後部座席は2人までとするなどの対応を求めています。
相乗りタクシーは、シェアタクシーとも呼ばれます。乗客は、スマートフォンのアプリに日時や乗車位置、目的地を入力し、同じ時間帯に同一方向へ行く人がいればマッチングされ、運賃や走行距離に同意すれば配車します。見知らぬ客同士のトラブルも懸念され、男女同乗の可否、車両タイプなどもアプリ上で事前に同意を得ます。
運転手不足が深刻化している地方もあり、住民の足を安定的に確保する狙いもあります。しかし、アプリを使わず、運転手がタクシー乗り場で客を募って相乗りさせることはできません。運賃は乗車距離に応じて分担し、座席指定した客を割高にしたり、障害者を安くしたりすることは認めます。相乗りサービス提供の費用などを転嫁するため、国の認可があれば運賃を通常より最大2割増しにできます。
(2021年10月30日 岐阜新聞)
(吉村 やすのり)