米国や欧州で承認され、日本では未承認薬にがん治療薬41種類のうち、半分以上の薬代が月に100万円を超えることが国立がんセンターの調査で判明した。最高額は前立腺がんの治療約シプリューセルで、月620万円になるという。最近ではがん治療に対する新規薬剤が多く開発されており、それら薬剤の薬価は1カ月あたり100万円を超えるものが多い。
公的な医療保険が適用されれば、自己負担は1~3割となり、高額療養制度を使えば、薬代を含めた医療費を大幅に減額できる。現在政府は、混合診療の拡大を打ち出しているが、仮に認められたとしても未承認薬の薬代は自己負担になる。欧米でも特殊ながん治療薬が使える対象者を限定しており、現行ではわが国においては、医療費の財源にも限度があり、先進医療の自己加入型の保険に頼らざるを得ない状況である。
(吉村 やすのり)