森記念財団都市戦略研究所の発表によれば、世界の都市総合力ランキング2021で、東京は6年連続の3位でした。新型コロナウイルスの影響で1位のロンドン、2位のニューヨークが、前年からスコアを落とす中、東京は働き方の柔軟性や五輪・パラリンピック開催などで評価を高めています。国内の都市では、大阪が順位を3つ落として36位で、福岡は1つ順位を上げて42位となっています。
ランキングは世界の主要48都市を対象に、経済、研究・開発、文化・交流、居住、環境、交通・アクセスの6分野、計70指標を指数化して作成されています。東京は、総合スコアが前年から24.5ポイント上昇しています。リモートワークが進んだことなどで、働き方の柔軟性が前年の41位から2位に急上昇し、居住分野が前年12位から9位に上がっています。東京五輪・パラリンピック開催に伴い、文化イベント開催件数が増えたことなどもスコア上昇につながっています。
上位2都市は、コロナ禍のマイナス影響が目立っています。ロンドンは前年1位だった国内・国際線旅客数が、今回は3位になりました。ニューヨークは完全失業率が増えたことで、居住分野が40位に下落し、東京との総合スコアの差が、前年の128.4ポイントから71.9ポイントに縮小しています。
(2021年11月25日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)