総務省の発表による2020年の国勢調査によれば、一人暮らしが世帯全体の38.0%を占め、単身高齢者は5年前の前回調査に比べ13.3%増の671万6,806人に増えています。中年世代の未婚率も上昇しています。
単身世帯は全年齢層で2,115万1,042となり、前回調査から14.8%増えています。3人以上の世帯は減少しており、特に5人以上の世帯は10%以上減っています。65歳以上の一人暮らし世帯の拡大が続いており、高齢者5人のうち1人が一人暮らしとなっています。男女別にみると、男性は230万8,171人、女性は440万8,635人で、女性が圧倒的に多くなっています。
45~49歳と50~54歳の未婚率の単純平均を基に50歳時点の未婚率は、男性は28.3%、女性は17.9%です。2000年の時には男性が12.6%、女性は5.8%でした。この20年間で価値観や家族観の多様化から、中年世代になっても独身というライフスタイルは珍しくなくなってきています。
単身世帯の増加の背景には、結婚して子どもと暮らすといった標準的な世帯像の変化があります。高齢化とともに単身世帯が増える中で、通院や買い物を近場でできるようコンパクトなまちづくりが必要になります。体調を崩したり、介護が必要だったりする高齢者が増えれば、社会保障費の膨張にもつながります。単身世帯数の拡大にあわせた社会のあり方を追求していく必要があります。
(2021年12月1日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)