首都圏の新築マンション市場は、2022年の発売戸数が、2021年比4.6%増の3万4,000戸になる見通しです。新型コロナウイルスの感染拡大前の2019年の3万1,238戸を2年連続で上回る状況です。特に富裕層に人気のある都心マンションは高騰が続き、一般の消費者が手を出しにくい億ションが急増しています。
マンションの平均価格と会社員の平均年収の推移をみると、2021年の平均価格は6,476万円と、20年前から2,000万円超上がっています。一方で平均年収は2020年の433万円で増えていません。東京23区内の平均価格は8,327万円でした。単純計算すると23区内のマンションは年収の19倍に相当します。
それでも、東京の物件価格は世界的には高くはありません。東京都港区元麻布地区の高額物件の単価を、2021年10月時点で100とした場合、香港が211.6、ロンドンが181.4です。ニューヨークやシンガポールも東京より高くなっています。国内所得水準が伸びないことが起因しています。
(2021年12月22日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)