世界の人口問題を考える―Ⅱ

高齢化社会への突入
世界人口減の未来図で、各国・地域の人口構成の姿は極めていびつになります。少子化と高齢化が同じタイミングで加速し、人口構成上は若者の数が急激に細り、高齢者が多数派になっていきます。
一般的に高齢化社会は65歳以上の人の比率が7%、高齢社会は14%を超えた状況を指します。2050年時点で世界人口に占める65歳以上の比率は、2020年の9.3%から15.9%に上がります。日本は28.4%が37.7%になります。働き手と消費の中心世代が相対的に減っていきます。
アフリカなど一部エリアを除けば人口ピラミッドのかたちが変わります。かつての三角形から、上が膨らむつぼ型へと移ります。世代別多数派は概ね60~70代になってしまいます。年金・医療など社会保障は、日本のように世代間扶養をとる場合、より多い高齢者を現役世代で支えなければなりません。先進国全体では、1980年代にGDPの1~2割ほどだった社会保障費は、直近で2~3割まで膨らんでいます。

(2021年12月6日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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