ヤングケアラーとは、病気や障害がある家族や、世話が必要なきょうだいのために、家事や介護などケアを担う18歳未満の子どもたちのことを言います。国が中高生へ聞いた調査によれば、公立の中学2年、全日制高校2年のおよそ20人に1人が家族を世話しています。
介護や世話が必要な祖父母や幼いきょうだいがいる、でも親は仕事が忙しくて手が回らない、という家庭は珍しくありません。中高生への調査の際、家族を世話していると答えた中学2年の生徒たちは、平日1日あたり平均4時間を世話にあてています。そのために、勉強や部活などやりたいことができなかったり、望む進路を諦めたりするなど、学校や社会から孤立してしまうこともあります。
周りの人や子どもに、ヤングケアラーへの理解が広がることが大切です。子どもは話しやすくなるし、家族のケアを子ども一人で頑張らずに済むことにつながります。子どもが安心して相談できる仕組みや居場所づくり、学習支援など子ども本人のサポート、ケアが必要な家族への介護や子育ての支援が進むことが期待されます。
(2021年12月31日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)