アルメディアの調査によれば、国内の書店数は2020年5月時点で1万1,024店で、2000年の2万1,654から半減しています。2019年には、経営不振に陥った書店大手である文教堂グループホールディングスが、私的整理の一種である事業再生ADR(裁判外の紛争解決)に追い込まれています。電子書籍の普及や電子商取引サイトの台頭などで、書店を取り巻く環境は厳しくなっています。
全国各地での書店数の減少の中で、独立書店と呼ばれる個性派の店舗は近年増えつつあります。2016年に6店だった新規開業が、2021年には51店に達しています。経営の裏側を紹介する本が出店を後押しし、コンサルティング会社など異業種の参入もあります。本を取り巻く文化を愛する根強いファンが独立書店を支えています。品揃えを厳選するセレクトショップが増えています。活字文化の継承は必要です。
(2022年1月24日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)