月経痛をVRで伝える

月経痛に悩む女性は少なくありません。全国労働組合総連合女性部の2007年の調査によれば、月経について46%が非常に苦痛もしくは苦痛と回答しています。大手生理用品メーカーのユニ・チャームが2020年に高校生や大学生らにしたアンケートによれば、約3割は不快感のせいで何もできないあるいは日常生活にとても支障がでると答えています。
昨年12月、大阪大学で開かれたVRの国際会議VRST2021の会場で、月経痛を男性に疑似体験させています。満員電車に乗って立っているとき、不意に月経の痛みや不快感に見舞われるとの想定です。妻がつらいと言っているのを聞いていたが、ここまで攻撃的な痛みとは思わなかった、日常生活でこれに遭遇したら、その場にうずくまるなど、体験した男性たちが感想を語っています。
月経痛のしんどさは、言葉では説明しづらく、VRの技術で痛さや不快さを疑似体験することで、つらさや煩わしさを知るきっかけになります。VRの技術を活用し、言葉では伝えにくいつらさを体感できるのが特徴です。VRにより月経を知る、共有する入り口になることが期待されます。

(2022年1月27日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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