政府は、子ども政策を統括する組織としてこども家庭庁を2023年度に設置します。内閣府の外局として専任の閣僚と長官をおくことになっています。内閣府や厚生労働省から業務を移管し、文部科学省のいじめ問題の対応などでも関与します。自民党では、子ども政策の司令塔となるこども家庭庁の設置にあわせて、調査・勧告機能を持つ第三者機関を新設する法案が検討されています。
子どもは自らの権利侵害を訴えることが難しく、行政組織の調査では、内情を把握しきれないとの指摘があります。そのため、議員立法で、子どもへの意見聴取や現状を調査する独立した第三者組織の設置を考えています。
海外でも同様の第三者機関があります。英国では、子ども政策を一括して担う省庁とは別に、子どもコミッショナーと呼ばれる監視機関を置いています。議員立法は、国の制度や政策に関する理念や基本方針を示す基本法としてまとめています。国際条約に規定された子どもの権利を保障する総合的な法律に位置づけています。
(2022年2月3日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)