新型コロナウイルスの感染拡大が人口の東京一極集中に変調を及ぼしています。テレワークの浸透などで子育て世代の関心が郊外へと移行しています。東京都で30~40歳代の転出者数が転入者数を上回る転出超過となる一方、転入超過は31道県に膨らんでいます。子育て世代増加は、少子化が進む地域にとって福音となるだけに、各地は充実した住環境などをアピールし、さらなる呼び込みを図っています。
総務省によれば、都道府県の7割が転入超過となり、コロナ禍前に増加しています。山形、静岡、和歌山、山口、大分の5県は初めての転入超過となっています。町村で最も好転したのは奈良県上北山村です。豊かな自然を生かしてコロナ下で人気が高まる村営キャンプ場を再整備するほか、地域おこし協力隊制度を活用しアウトドアに詳しい人材を登用しています。産業を掘り起こし、子育て世代を呼び込んでいます。
(2022年2月19日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)