浜松医科大学らの研究成果によれば、午後10時より後に寝る子どもは、じっとしていられず集中力を持続できないといった注意欠陥多動性障害(ADHD)のような症状が出やすいとしています。疫学研究に出生時から参加している8~9歳の835人のゲノムや睡眠習慣を調査しています。ADHDに関連する症状の程度を得点化し、比較したところ、寝る時間が午後10時より遅い子どもは得点が高いことが分かりました。
ADHDは発達障害の一つで、18歳以下の約5%にみられるとの報告があります。様々な遺伝子変異が発症に関わりますが、眠気に伴う衝動性や不注意が診断に影響する可能性が指摘されていました。診察時は睡眠習慣も丁寧に聞き取る必要があり、早く寝るだけで症状が改善するケースもあると考えられています。
(2022年2月20日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)