有業率の増加と医療費

地域の担い手として、高齢者に生涯現役を目指してもらおうとする動きが広がっています。総務省の就業構造基本調査によれば、65歳以上の人口に対する仕事を持っている人の割合有業率が、都道府県で最も増加したのは、5.3ポイント上昇の宮崎県です。有業率は25.9%でした。次いで福島県が5.2ポイント上昇、25.1%、栃木県が5.2ポイント上昇、27.3%の順です。一方、最も水準が高かったのが長野県で30.4%、山梨県が30.3%で続いています。

少子化が加速する中、限りある人材の活用は喫緊の課題です。働く高齢者が多い都道府県ほど医療費を抑制できる傾向もあります。男性の平均寿命の81.75歳が2位で有業率がトップの長野県は、75歳以上の後期高齢者の1人当たりの年間医療費が約83万円と、全国で7番目に低くなっています。有業率の高い県ほど、後期高齢者1人あたりの医療費は低くなっています。

高齢者の意欲を高め、有業率を上げていくことが医療費の抑制につながります。地域の持続可能性を高めるためには、いかに高齢者を戦力として保てるかがカギとなります。現役時代と同様に頭を使い、体を使うことが、最大の健康法になります。

(2022年2月26日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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