児童虐待事件の増加

昨年1年間に警察が摘発した児童虐待事件は2,174件(前年比41件増)、被害に遭った18歳未満の子どもは2,219人(同47人増)、ともに8年連続で過去最多を更新し、10年間で約4倍になっています。状況別では、暴行や傷害といった身体的虐待が8割超の1,766件で、性的虐待が339件でした。死亡した子どもは54人で、うち無理心中が29人でした。
全国の警察が児相に通告した18歳未満の子どもは、2021年に前年比1,068人増の10万8,059人に上り、過去最も多くなっています。子どもの前で家族に暴力を振るうなど心理的虐待が最多で全体の約7割に上っています。身体的虐待が17.8%、残りをいわゆるネグレクトや性的虐待が占めています。
通告を受けてから、48時間以内の目視での安全確認が重要ですが、コロナを理由に家庭訪問が拒まれるケースがあります。また、オミクロン株の拡大で、学校など関係機関が感染対策を優先し、子どもの変化に気づきにくくなっていることが懸念されます。オンライン授業が増え、登校してきてもマスクで表情が見えにくくなっています。

(2022年3月10日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。