国立社会保障・人口問題研究所の2015年の調査で、結婚したいと考えている未婚の男女に希望する子どもの人数をたずねたところ、男女ともに1982年以降で最も少なくなっています。希望する子どもの人数の平均は、男性では1.91人、女性では2.02人でした。また、理想の子どもの人数通りにはもてないと考える初婚どうしの夫婦に理由を聞くと、最多は、子育てや教育にお金がかかりすぎるからという回答で56.3%でした。
家族のあり方や働き方の変化で、出産や育児をめぐる環境も大きく変わっています。さまざまな理由や事情で、子どもを産まない・もたないという選択をすることも増えてきています。朝日新聞のデジタルアンケートによれば、子どもを産まないという選択に賛同する人は、4分の3を占めています。理由としては、個人の意見が尊重されるべきだ、女性なら産みたいはずだという価値観に違和感があるとする意見が多くなっています。
積極的に産まない人生を選ぶ人もいれば、子どもをもてないという性的少数者の方もいます。不安なく子育てができる環境の整備や、産まない選択について社会の理解が必要となります。個人の選択が尊重される社会であるべきだと思います。
(2022年3月13日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)