コロナ禍での長期失業者の増加

コロナ禍で、日本で1年以上失業状態にある人は、2021年10~12月期で流行前に比べ31%増の64万人と、リーマン危機以来の増加が続いています。人手不足が賃上げを呼び、さらなる物価上昇につながる米国とは対照的に、日本では長期離脱後の就労復帰が難しく、賃金が物価を押し上げる力も弱い。
労働力調査によれば、仕事を持ちながらも手当てなどをもらい仕事をしなかった休業者は、2021年に211万人と、コロナ前の2019年に比べて33万人増えています。転職を希望する人は、2019年比で46万人増の846万人に増えたものの、2021年の転職者は288万人と、2019年に比べ63万人減っています。仕事の無い人を抱え込む企業が生まれ、転職ニーズを企業部門が十分受けとめられていません。2021年の長期失業者のうち、自己都合による離職者はコロナ前比1.2倍に、勤め先都合など非自発的な離職者は1.8倍に膨らんでいます。

 

(2022年3月15日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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