今年1月以降のコロナ死者は、全国で計7,885人に上り、第5波が起きた昨年8~10月の計3,073人に比べて2.6倍となっています。
新型コロナウイルス感染拡大の第6波で、コロナ死者として公表された人のうち、直接の死因がコロナではなかったとみられる人が3割前後に上ることが、一部自治体の分析でわかりました。感染者が死亡した場合、自治体は死因に関係なくコロナ死者として計上しています。第6波は、高齢の感染者がコロナ特有の肺炎などで亡くなるのではなく、持病の悪化や老衰で命を落とすケースが目立っています。
岡山県の分析によれば、第6波の死者66人のうち、新型コロナウイルスが68%(45人)で、残りの32%(21人)は、 誤嚥ごえん 性肺炎や老衰などでした。昨春の第4波は、直接死因がコロナとされた割合は99%(90人)に上り、それ以外は1%(1人)でした。県の担当者は、従来はコロナ死と言えば、肺炎症状が悪化して呼吸困難に陥るケースなどが多かったのですが、第6波は少なくなっています。千葉県や大阪府などでも同様の結果が得られています。
神奈川県でも、今年1~2月に県内の病院で亡くなった感染者312人(70歳以上が9割)のうち、コロナ以外は32%(100人)に達しています。第6波で流行したオミクロン株は重症化しにくいが、高齢者や持病がある人、肥満傾向の人が感染すれば、体力の低下で死亡するリスクが高まります。肺炎を進行させないための酸素投与だけでなく、持病の悪化などにもすぐ対応できるよう、リスクの高い人たちへの健康観察がより重要になっています。
(2022年3月15日 読売新聞)
(吉村 やすのり)