投資家が開示を必要と考える人的資本

エンゲージメントとは、一般には約束や契約を意味していますが、人事分野では働きがいを指します。大きく分けて、社員と会社が信頼して貢献し合う状態を示す従業員エンゲージメントと、仕事にやりがいや熱意を持ち生き生きとしている状態を示すワークエンゲージメントの2つがあります。生産性改善や社員の離職防止などにつながるとして、重視する企業が増えています。
投資家がエンゲージメントを非財務情報として活用する動きも進んでいます。リンクアンドモチベーションの機関投資家に対する調査によれば、企業の開示が必要だと考える人的資本に、組織文化(エンゲージメント)を挙げたのが41%と、10項目中4番目に多くなっています。
自社のエンゲージメントの水準を測定する企業も多くなっています。数値化により、組織が抱える課題を客観的に把握できるようにし、改善につなげています。企業側でもエンゲージメントのスコアや指標を開示する動きが出てきています。

(2022年5月1日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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