文部科学省の調査によれば、小学6年生の不登校が約1万9,900人であるのに対し、中学1年生は約3万6,000人に上ります。不登校の中1のうち、前年度に不登校ではなかった生徒は7割でした。中学進学後に不登校が増加する理由のひとつに、中学1年生が学校生活の変化についていけない中1ギャップがあります。
中学生が不登校となる要因では、入学、進級時などの不適応が5,412人で、4.1%を占めています。学校に関わる要因では、友人関係が12.5%、学業不振が6.5%に次ぐ3番目となっています。
教員の交流による小中連携・一貫の取り組みは、全国でも広がっています。文部科学省は、小中連携・一貫について、学力向上や生徒指導にメリットがあるとしています。学校基本調査によれば、9年間通じた小中一貫教育を行っている小学校は全国に917校、中学校は537校あり、近年増加し続けています。
新たな学校生活を送る中で、環境に馴染めず、学校に行きたくないといった悩みを抱える子どももいます。いわゆる小1プロブレムや中1ギャップといった入学後のつまずきを解消するには、幼小中の学校間で連携を図ることが有効と考えられています。
(2022年5月3日 読売新聞)
(吉村 やすのり)