観光地での開業率の上昇

2022年版中小企業白書によれば、2020年度の観光地での開業率は5.1%と、3年ぶりに5%台を回復しています。沖縄県が8.8%と都道府県で最も高く、2019年度から2.3ポイント上昇し、全国平均である0.9ポイントの2倍伸びています。上昇幅でも全国1位でした。コロナ下で観光客は急減しましたが、国内有数の観光地に変わりはなく、回復を見越して各地で宿泊施設の建設が続いています。
沖縄県に次いで福岡県、埼玉県、東京都の開業率が高く、いずれも6.0%でした。開業率の上昇幅で2位は、山梨県の1.5ポイントです。神奈川県と東京都が1.2ポイントで続いています。
上昇していますが、国際的にみると日本の開業率は低く、2019年度で比較すると、10%を超える英国やフランスはもちろん、10%弱の米国やドイツ半分程度の水準です。日本は廃業率も低く、企業の新陳代謝が乏しくなっています。

(2022年5月20日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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