就職情報会社マイナビの調査によれば、来春卒業予定の大学生らのうち、Uターンを含む地元での就職を希望する学生が62.6%に上り、2年連続で増加しています。地元志向の割合は、調査開始時の2009年はリーマン・ショック後で経済状況が厳しく77.2%にのぼりましたが、経済の回復とともに都市圏での就職を希望する学生が増え、2020年には54.9%に低下しました。しかし、コロナ禍で経済状況が悪化した2021年は、57.8%と増加に転じ、今年も前年比4.8ポイント増となっています。
地元志向の理由は、奨学金返済や将来への不安から実家暮らしで出費を抑えたい、育児中に実家の助けを借りたいといった声が目立っています。安定した将来を求めて、地元就職を考える学生が増えています。遠隔地から選考を受けられるオンライン就活が浸透したことも影響しています。
(2022年5月23日 読売新聞)
(吉村 やすのり)