男性育休取得率向上への機運の高まり

男性の育児休業取得を促す改正育児・介護休業法の施行が段階的に始まり、男性の育休取得の機運が高まっています。わが国の男性の育休取得率の水準はなお低く、2%に満たなかった2012年度から徐々に上昇し、2020年度は初めて10%を超えて12.7%になっています。それでも2020年度で81.6%の女性の育休取得率との差は大きいままです。育休取得を企業に浸透させようと、率先して取り組む自治体は多くなっています。
総務省のまとめによれば、男性の育休取得率が都道府県・政令指定都市でトップは千葉市です。国の基準に基づくと2020年度で92.2%を達成していますが、2024年度に100%を目指しています。横浜市は、2020年度で24.1%の男性職員の育休取得率を、2025年度末までの4年間で100%に引き上げる目標を3月に掲げています。
企業の育休取得を推進しようと奨励金を支給するのは東京都です。男性従業員が育休を取得した実例がある都内の企業を対象に、育休に関する研修を実施するなどした場合に、最大300万円を支給します。このように首都圏の自治体が、取得しやすい仕組み作りや対象職員への声かけを積極的に進めているほか、企業に対して育休取得率の向上を促す支援策の導入も進んでいます。男性の育休を浸透させるため、会社の経営層や上司の意識を変えていく必要があります。

(2022年6月7日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。