女性取締役登用の推進

EUは、域内の上場企業を対象に全取締役の3分の1以上など、一定比率の女性を登用するよう求める法案に大筋合意しています。ESG(環境・社会・企業統治)マネーを呼び込むため、欧米各国が女性登用基準の導入で先行するのに対し、日本は出遅れています。
2020年半ばまでに、社外取締役の40%以上か、全取締役の33%以上を女性にする必要があるとしています。目標未達の企業は、理由と対策を公表しなければならず、報告が不十分だと罰則の対象となります。多様性は公平性の問題だけでなく、成長と技術革新を促進するとしています。今こそ、ガラスの天井を打ち破る時です。
女性登用で先行する欧米に対し、日本は出遅れています。OECDによると、2021年の日本の主要企業における女性役員比率は、12.6%にとどまっています。プライム市場上場企業では9.3%で、全体の3割にあたる539社では、女性の役員が一人もいません。フランスの45.3%やドイツの36.0%、米国の29.7%など海外との差は大きく開いたままです。
女性登用の遅れに対し、投資家の目は厳しさを増しています。大手運用会社のアセットマネジメントOneは、女性取締役がいない企業の代表取締役社の選任案に反対すると決めています。

(2022年6月9日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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