試験管の中で細胞を培養して作る、臓器を模したオルガノイドを使った研究が盛んになっています。ミニ臓器とも呼ばれ、これまでよりも人体に近い組織で実験できる利点があります。病気のメカニズム解明や再生医療、体の成り立ちを探る研究など、応用分野は幅広く、新たな薬の開発にもつながります。オルガノイドは、様々な細胞からなる生体内の複雑な構造や、細胞同士の相互作用も再現できることが利点です。
オルガノイドは、再生医療や新薬開発の分野での活用が特に盛んになっています。一人ひとりの遺伝子の違いや体質などに応じた個別化医療(オーダーメイド医療)に役立てようとする取り組みもあります。個人の違いも反映したオルガノイドで薬を試していけば、その人に最適な薬の組み合わせを探ることができます。
(2022年6月12日 読売新聞)
(吉村 やすのり)