SDGsとは、気候変動や貧困、格差など地球規模の課題を解決するための世界共通の目標です。スウェーデンのストックホルム+50という国際会議が開かれ、各国のSDGs達成度ランキングが発表されました。フィンランドが2年連続で1位、トップ3を北欧が占めています。日本は昨年から1位後退して163カ国中19位です。年ごとに順位を下げています。
目標ごとの4段階評価で2021年に続いて最低だったのは、ジェンダー平等(目標5)、気候変動対策(目標13)、海の環境保全(目標14)、陸の環境保全(目標15)、パートナーシップの推進(目標17)です。今年は新たにつくる責任、つかう責任(目標12)も転落しました。
低評価の主な原因は、女性国会議員の割合、男女の賃金格差、小型家電などの電気電子機器廃棄物やプラスチックごみ輸出の多さ、化石燃料の排出やセメント製造に伴う1人あたりの二酸化炭素の排出量、海の汚染度と魚の乱獲、絶滅危惧種の保護不足でした。多くの企業がSDGsへの貢献をうたっているのに、評価が上らない理由は、健康福祉や産業と技術革新といった目標の標語部分にだけ、自社を紐づけして終わっていることが多いためです。
(2022年6月12日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)