これから本格的な冬シーズンに入るオーストラリアで、直近2年はほとんど流行しなかった季節性インフルエンザの患者が増えています。
オーストラリア保健当局によれば、インフルの患者は5月に入ると1週間あたり約5千人を超え、同月末には約2万5千人に急増しています。過去5年で最も流行した2017年8月中旬のピーク時とほぼ同じ水準となっています。
オーストラリアでは2020~2021年の2年間、インフルの流行がほとんどみられませんでした。今年4月以降、入国時の陰性証明が不要になるなど対策を緩和しました。また、この2年間でインフルのウイルスに対する免疫を持つ人が少なくなったことも、感染者の増加の背景にあるとみられています。
日本でもオーストラリアと同様に直近の2シーズンは、インフルの流行はありませんでした。日本でもインフルエンザに対する免疫をもつ人は減っているとみられます。流行のシーズンの冬になる前、早いうちからインフルエンザのワクチン接種など、流行への備えを考えるべきです。
(2022年6月16日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)