わが国の最低賃金

海外主要国の最低賃金は、物価の違いを考慮しても日本より高水準です。厚生労働省の資料によれば、昨年4月時点で英仏独は1,200~1,300円台です。米国も連邦の最低賃金は約800円ですが、州ごとの最低賃金もあり、高いと2千円程度のところもあります。
日本の水準が低い背景には、勤続年数などに応じて賃金が上がる一般労働者と、短時間労働者との賃金格差の大きさがあることが指摘されています。最低賃金は、短時間労働者を念頭に決まるので、それだけ低くなりがちです。海外は同じ職務であれば、一般労働者とお短時間労働者の賃金単価の差は比較的小さいとされています。
海外では直近でも大幅な引き上げが相次いでいます。労働政策研究・研修機構によれば、英国は、今年4月から成人向けの最低賃金を6.6%引き上げて、9.50ポンド(約1,570円)にしています。ドイツも7月に約6.4%、10月にはさらに約14.8%引き上げて12.0ユーロ(約1,720円)としています。

(2022年6月29日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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