文部科学省の調査によれば、肥満傾向のある児童生徒の割合が減少しています。小中高生では多くの学年で前年度を下回っています。新型コロナウイルスによる一斉休校があった2020年度と比べ、運動不足の状況が改善したことが背景にあると思われます。視力の低下には歯止めがかからず、裸眼視力1.0未満の中学生の割合は初めて6割を超えています。
新型コロナの影響で2020年度は小中高校の一斉休校があり、体育や部活動の時間が減少しました。緊急事態宣言下では外出も制限され、子どもの運動不足が懸念されていました。2020年度の同じ調査では、ほぼ全学年で肥満傾向が増え、小学生は全学年が過去最高でした。2021年度は一斉休校がなく、運動中の感染対策が浸透したとして、部活動をコロナ前の活動に戻す学校が増えました。登下校時の歩行や休み時間の遊びも含め、子どもの運動量を確保する面での学校の重要性が裏付けられました。
(2022年7月14日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)