国内の上場企業で役員報酬が1億円以上の1億円プレーヤーが増えています。2022年3月期決算の企業では663人で、前年より119人増え、過去最多を更新しています。1億円以上の報酬の開示が義務づけられた2010年3月期の289人と比べると、2倍以上になっています。輸出関連企業の好業績や株価に連動した報酬体系が、全体を押し上げています。
1億円以上の役員がいる企業は、前年より34社増え287社と過去最多となっています。報酬が1億円以上の役員の平均と従業員の給与の平均を単純に比べると、25・1倍の格差があります。高額報酬をもらう役員が増える一方で、従業員の給与の伸びは限定的です。
報酬は固定部分に加え、賞与や株式報酬による業績連動部分があります。国内の企業でも、株価や業績を報酬に反映する仕組みを導入するところが増えています。好業績もあって報酬は上昇傾向にありますが、従業員の賃金はなかなか増えていません。経営者がもうけすぎだとの批判が出ても致し方ありません。
(2022年7月28日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)