国内では腎移植のドナーが不足し、なかなか移植を受けられません。腎移植には、脳死または心停止の人から提供を受ける死体移植と、親族間などの生体移植があります。死体移植を受けるには、日本臓器移植ネットワーク(JOT)に登録する必要があります。生体移植は、各病院の倫理委員会の承認などを得て行われます。
日本透析医学会によれば、糖尿病の増加などで、透析患者は増え続けています。2020年は4万744人が新たに透析を始め、透析患者は34万7,671人に上っています。脳死を含む死体からの腎移植を希望し、JOTに登録している人は、今年6月時点で1万3,589人です。これに対し、2021年にJOTの仲介で行われた腎移植は125件です。手術までの平均待機期間は、腎臓では約14年9か月に及び、心臓の約3年4か月、肺の約2年5か月よりはるかに長くなっています。
WHOなどの集計によれば、2020年の日本の臓器移植件数は、人口100万人あたり17.7件で世界42位です。トップの米国は120.5件、2位のスペインは94.7件、3位の韓国は81.5件で、日本の臓器移植件数の少なさは、国際的に見ても顕著です。
(2022年8月21日 読売新聞)
(吉村 やすのり)