政府は、世界と競える国内トップクラスの大学を国際卓越研究大学に指定し、10兆円規模のファンドの運用益を基に1校あたり数百億円を支援します。2023年度にも最初の支援先が決まり、段階的に数校程度が選ばれる見込みです。
これに加え、2023年度から特定の研究分野に強い大学や地方の有力大学といった準トップ層への支援も強化します。基金から1校あたり年間5億円程度の補助金を出し、研究体制や大学発スタートアップの拠点整備などを後押しします。
地方などにもインフラやエネルギー、ロボットといった特定の分野で優れた研究実績を持つ大学があり、研究力を底上げして大学全体の国際競争力を強化する狙いがあります。文部科学省の外郭団体に基金を設けます。2023年度の概算要求に関連費用を含む56億円を計上し、複数年かけて数千億規模に積み増します。スタート段階では7校程度を選び、基金の規模に応じて数十校に広げることを目指しています。
日本の大学の国際競争力の低下は深刻です。日本全体の研究力を上げるためには、中堅・小規模大学も強化する必要があります。
（2022年8月23日 日本経済新聞）
（吉村 やすのり）
