児童虐待件数の増加

厚生労働省のまとめによれば、全国の児童相談所が2021年度に児童虐待の相談を受けて対応した件数が、最多の20万7,659件に上っています。前年度比で2,615件(1.3%)増え、1990年度の統計開始から31年連続して増加しています。子どもの前で家族に暴力を振るう面前DVなどの心理的虐待の増加が目立ち、初めて全体の6割を超えています。
全体を内容別にみると、心理的虐待が12万4,722件(60.1%)で最多です。次いで身体的虐待4万9,238件(23.7%)、ネグレクト(育児放棄)3万1,452件(15.1%)、性的虐待2,247件(1.1%)の順です。心理的虐待は、親らが子どもに暴言を浴びせることのほか、無視する、冷たい態度を取る、きょうだい間で差別をするといったことも該当します。
虐待の相談経路は警察が10万3,104件で、全体のほぼ半数を占めています。児相との連携強化に伴い、警察からの相談は近年増加傾向にありましたが、今回は前年度比521件減です。近隣・知人(2万8075件)や家族・親戚(1万7344件)は増加しています。都道府県別では、東京が2万6,047件で最も多く、鳥取県が135件で最少です。

(2022年9月10日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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