国立感染症研究所の発表によれば、性行為などでうつる梅毒の感染者が急増しており、今年は9月上旬までに8,000人超が確認されています。2022年上半期の感染者は男性67%、女性33%でした。年代別では、女性は約6割が20代だったのに対し、男性は20~40代がそれぞれ2割台で、年齢の高い層にも一定の広がりがみられています。
感染者は戦後、年間20万人を超えていましたが、1999年以降は500人前後で横ばいでした。2013年に初めて1千人を超えて以降、急激な増加が続いています。詳しい原因は分かっていません。感染しても症状がほとんどなく、放置している人もいると思われます。
コンドームの使用など基本的な予防策のほか、不特定多数との性交渉のリスクを知ることが感染抑制につながります。各地の保健所ではエイズウイルス(HIV)と合わせ、無料検査を匿名で受けられます。
(2022年9月14日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)