受精卵のゲノム編集

国立成育医療研究センターの調査によれば、ゲノム編集技術をヒトの受精卵に使う場合に、その目的が遺伝性疾患の予防以外なら反対の人が大半を占めていることが分かりました。ゲノム編集は、生物の遺伝情報を書き換えられる技術です。受精卵の段階で病気の原因となる遺伝子を修正すれば、その病気を予防することが可能です。
受精卵のゲノム編集がどんな技術か説明できると答えたのは、一般市民では6%、患者関係者では15%にとどまり、医療従事者では50%でした。遺伝性疾患の予防が目的のケースでは、患者関係者は賛成の割合が多く、医療従事者では反対の割合が約4割を占めています。
今後多くの人がゲノム編集について知り、考える機会が増えることが大切です。ゲノム編集には、狙った以外の遺伝子が改変される可能性など、課題も残ります。日本では、国や学術団体のガイドラインが、ゲノム編集された受精卵を子宮に戻すことを禁止しています。

(2022年9月4日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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