国が掲げる英語力の目標は、中学3年生で英検3級相当以上(身近な英語を理解し、使用することができる)です。文部科学省は、コロナ禍の2020年度を除いて2013年度から毎年、英語力調査をしています。2021年度は、この目標に達した中学3年生は、全国平均で47%でしたが、さいたま市は86.3%に上っています。2018年度、2019年度も全国1位となり、今回で3回連続です。47都道府県と20政令指定都市の2021年度の数値をランキングにすると、2位は福井県の85.8%、3位は福岡市の66.0%と続いています。
さいたま市は、小学1年生から中学3年生までの9年を一貫したカリキュラムで、グローバル・スタディを進めています。他にも横浜市、金沢市、岐阜市、東京都品川区などが、9年間の一貫カリキュラムをやっています。さいたま市の成果が突出しています。
さいたま市の英語力が高い理由は、主に4つあります。一つは授業時間の長さです。二つ目は、独自に開発した教材の使用です。三つ目は生きた英語を学ぶために、ネイティブスピーカーの外国語指導助手の採用です。四つ目は英語授業のフィードバックです。やりっぱなしにするのではなく、生徒一人ひとりに対し、聞く、話す、読む、書くの英語4技能の効果測定の確認です。
(2022年9月28日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)