国立社会保障・人口問題研究所の2021年出生動向基本調査によれば、妻が大卒以上の夫婦の子どもの数が1.74人と、19年ぶりに上昇しています。仕事と育児の両立が困難だった高学歴の女性も、近年は働き方改革などにより産みやすくなっています。出産できる期間をほぼ終えた45～49歳の妻の子どもの数を調べています。妻の最終学歴別に見ると、2021年調査では、大卒以上の女性の子どもの数が、前回調査の2015年の1.66人から1.74人に上昇しています。
2000年以降、特に2010年以降で30代で結婚した都市部、大卒、リベラルな女性の出生率上昇が顕著となっています。育児と仕事の両立支援により、働いても子どもを産む女性が増えたことが影響している可能性があります。経済的な理由などから、中低所得者層が産みにくくなってきています。いずれ大卒と中卒・高卒の女性が産む子どもの数が逆転する可能性もあります。
（2022年10月10日 日本経済新聞）
（吉村 やすのり）
