ESG(環境・社会・企業統治)を統括する役職である最高サステナビリティー責任者(CSO)を設ける企業が世界で増えています。2021年に120社超が新たに任命し、足元では世界で500社弱が設置しています。多様化するESG課題への対応を、経営の重要戦略に位置づける企業が増えています。
世界の主要な上場企業1,640社のうちCSO職を設けるのは、2022年2月時点で488社と全体の30%に上っています。2021年にCSOを任命した社数は、120社超と5年で7倍以上に増えています。国別の設置割合では、フランスの57%や米国の47%、インドの44%が高く、日本は22%でした。CSOを置く企業は、ESG評価も高い傾向にあります。
背景にはESG機運の高まりがあります。各国の規制強化に加えて資本市場による選別や消費者の嗜好変化など、企業を取り巻く環境は厳しくなっています。テーマも人権や生物多様性などと幅広く、企業は取り組みや情報開示の拡充を求められています。
(2022年10月19日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)