10月27日から読書週間が始まりました。全国学校図書館協議会の学校読書調査によれば、小中学生の平均読書冊数は30年前に比べ倍増しています。各地の小学校で広まる朝読書など、日々の地道な活動の成果と思われますが、学年が上がるにつれ冊数は減少傾向にあります。
新聞を購読しない家庭が増えたほか、中学からは朝読書の時間を取りづらくなっており、生活全般で活字に接する機会が減っています。また、1か月に1冊も読書しない割合は、男子の場合、小6の10.4%から中3で31%、高3で68.5%と学年とともに増加しています。SNSや動画サイトなどの普及で、子どもが短い文章しか読まず、長い物語や文章に慣れていないことも背景にあります。
電子書籍の読書経験がある小中高生は、紙の本の方が読みやすいと感じる傾向にあります。読書量の多いとされる女子の方が、紙の本を選ぶ傾向にあります。女子は小学生47.6%、中学生45.0%、高校生49.2%で、男子は小学生43.1%、中学生34.9%、高校生39.1%でした。物語や小説など、しっかりと内容を追う必要がある読書には、紙の本が適していると思われます。
(2022年10月28日 読売新聞)
(吉村 やすのり)