文部科学省の調査によれば、パソコンやスマホで中傷や嫌がらせをするネットいじめは、2021年度に初めて小中高校などで計2万件を超え、最多となっています。2020年度は1万8,870件でした。小中で顕著に伸びがみられています。小学校は2020年度と比べて27.6%増の9,454件、中学校は12.9%増の9,783件となっています。一方、既にスマホ所持の多い高校では、5.5%減少し2,454件でした。
小中学生へのスマホの急速な普及でいじめへの低年齢化が進み、コロナ禍でネットに触れる機会が増えたことが要因とみられます。2021年度にスマホでネットを利用した10歳以上の小学生は53.4%、中学生は80.8%で、コロナ禍前の2018年度に比べ、小学生は7.5ポイント、中学生は10.2ポイント増えています。政府が小中学生に配った1人1台の学習用端末を使ったいじめも複数確認されています。
コロナ禍でオンラインゲームやSNSに触れる機会が急激に増えており、低年齢から情報モラル教育を学ぶ必要があります。道徳教育としてだけでなく、教員がSNSのやりとりの手本を見せるなど具体的な使用を教えることも必要になります。
(2022年10月28日 読売新聞)
(吉村 やすのり)