民間企業で働く障害者は、2021年6月時点で約59万8,000人と、過去最多になりました。身体障害が約35万9,000人、知的障害が約14万1,000人、精神障害が約9万8,000人です。働きたいと希望する障害者が仕事に就くことができれば、自立や社会参加につながります。障害者雇用促進法は、一定以上の規模の民間企業に、従業員の2.3%以上の障害者を雇うように義務付けています。
しかし、対象となる企業の5割超がこのルールを達成できていません。障害があっても働きやすい職場づくりや、社内での障害への理解促進なども含め、課題があるのが現状です。2024年までに、体調に応じて勤務時間を調整したり、職場環境を改善したりする合理的配慮が、企業に義務付けられることになりました。こうした取り組みが進むことで、働く場所の選択肢が増え、企業にとっても多様な視点のある組織づくりにつながると期待されています。
職員に必要なサポートを受けながら働く就労継続支援事業所もあります。利用者が事業所と雇用契約を結び、リハビリや職業訓練を兼ねて働くA型と、雇用関係は結ばないB型があります。A型は原則、利用開始時に65歳未満の人が対象です。最低賃金が保障され、企業での就労に近い働き方です。B型は年齢制限がなく、体調に不安がある人なども自分のペースで働けますが、得られるお金は多くありません。
(2022年10月31日 読売新聞)
(吉村 やすのり)