文部科学省の調査によれば、通常の学級に在籍する小中学生の8.8%に、学習や行動に困難のある発達障害の可能性があることが分かりました。2012年の前回調査から2.3ポイント増えています。35人学級であれば、3人ほどの割合となります。増加の背景には、発達障害への認知の広がりがあるとみられ、個性に応じた支援策の充実が大切になります。
注意欠陥多動性障害(ADHD)などの発達障害は、知的発達に遅れはないものの学習または行動面で著しい困難を示します。学習面などに困難が生じる児童生徒の割合は、学年が上がるほど低くなる傾向があります。高校生で発達障害の可能性があるとされた生徒は2.2%でした。
障害や学習の困難を抱える児童生徒は、その程度に応じて特別支援学校や学校内の特別支援学級で学びます。発達障害の可能性があるとされた小中学生のうち、通常学級に在籍したまま必要に応じて別教室などで授業を受ける通級指導を利用していたのは、10.6%でした。教員による授業での個別の配慮・支援を受けていない児童生徒も、43.2%みられました。
(2022年12月13日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)