スタートアップ資金調達社の増加

スタートアップとは、新しいアイデアでビジネスを始めた新興企業のことを言います。米国のシリコンバレーから生まれたグーグルやフェイスブックも、元々はITを生かしたスタートアップでした。後を追うように、様々な分野で起業家たちが動いています。日本でも人工知能やロボット、自動運転の技術などを手がける企業が生まれています。
起業家たちは、まず投資家や銀行などにアピールして資金を集めます。起業後は、事業を成長させながら資金を増やし、企業の価値を高めていきます。最終的に育てた会社の株を上場したり、他の企業に売却したりして、大きな利益を得る創業者もいます。
内閣府の資料によれば、未上場で価値が10億ドル(約1,360億円)以上の企業は、米国は633社、中国は173社ありますが、日本は6社しかありません。投資会社によるスタートアップへの投資額の規模も、GDPの0.08%で、欧米だけでなくインドや中国、韓国の半分にも満たない状況です。
しかし、わが国のスタートアップ資金調達社の数も金額も増加しています。政府は、スタートアップへの投資額を、2027年度には今の10倍以上の10兆円規模に増やすための計画案をつくっています。投資に関係する税金を安くしたり、起業家1千人にシリコンバレーで勉強してもらったりして、巻き返そうとしています。

(2022年12月10日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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