臓器の生体間移植

臓器の生体間移植は、かつて主流だった親子から、血のつながりのない夫婦へと大きく変わってきています。年間1,500~2,000件行われている腎臓移植でみると、2013年は親からの提供が37%を占め、配偶者からは35%でした。2020年になると、配偶者からの提供が43%となり、親の31%を逆転しています。
血縁関係にない人の臓器は、白血球の型などが異なるため、体が異物と判断して、免疫細胞によって攻撃するとされています。近年、これを抑える免疫抑制剤の効果が飛躍的に進歩しました。服用を続ければ、血縁関係にない人の腎臓であっても、受け入れられるようになっています。
医療技術の進展で夫婦間での移植がしやすくなったものの、リスクはゼロではありません。ドナー、レシピエントとも精神的な負担を抱えるケースもあり、移植には夫婦間の丁寧な話し合いが必須です。

(2023年1月23日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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