内閣府の日本経済2022-2023(ミニ白書)によれば、労働条件や勤務地への不満などを理由に2016〜2020年に転職した人で、転職の前年と翌年を比べると年収は平均7.1%増えていました。伸びは年齢や勤め先の業種・規模などの属性が近い非転職組の平均3.6%を上回っています。転職後は働く意欲が向上しています。
過去1年間で転職した人の割合は、2022年7〜9月期に4.9%であり、コロナ禍で低下した状況が続いています。しかし、25〜34歳の若い世代は回復傾向にあります。世界でも、労働移動が活発な国は実質賃金が上がりやすくなっています。成長産業に人が集まって労働生産性が上がったり、求人と求職のミスマッチが減ったりするためとみられています。
ミニ白書は、働く人のリスキリング支援などを具体的な課題として挙げて、労働移動の活性化を促し、一国全体の労働生産性をより高めていく必要があるとしています。
(2023年2月7日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)