高病原性鳥インフルエンザの流行が、世界的に拡大しています。感染が判明した養鶏場の鶏が大量に殺処分されているほか、海外では人に感染して死者も出ており、WHOが警戒を呼びかけています。
感染した渡り鳥が世界中にウイルスを広げているとみられ、日本でも鶏などへの感染が多発しています。国内の殺処分数は、昨秋以降1,502万羽と過去最多で、米国でも、昨年1月以降5,800万羽に上っています。鳥インフルは、通常人に感染しにくいのですが、ウイルスを持つ飼い鳥やその排泄物などに濃厚接触すると、偶発的に感染します。
各国で流行する高病原性の鳥インフルのウイルスであるH5N1が検出されています。今のところ日本での発症・死亡例はありませんが、H5N1の感染者数は過去20年、世界で873人に上り、このうち約半数が死亡しています。感染拡大が続けば予期せぬウイルスの変異が起き、人に大流行する新型インフルが出現する恐れもあります。
(2023年3月3日 読売新聞)
(吉村 やすのり)