1990年代半ば以降に生まれたZ世代は、賢くお金を使って管理するといった価値観を大切にしています。電話番号やメールアドレスを入力するだけの後払い決済であるBNPL(バイ・ナウ・ペイ・レイター)は、Z世代を中心に約4人に1人が利用しています。NPLのサービスを提供する事業者が、加盟店に代金を立て替え払いし、購入者が後から事業者に代金を支払います。メールアドレスなどを入力するだけで決済できる手軽さが特徴です。
20~30代の約4人に1人は、3,000円未満の物品は5分以内に購入を即決し、タイムパフォーマンス(タイパ)を重視します。コスパ、タイパの次はマネパです。マネパはマネーパフォーマンスの略で、お金の多寡ではなくどう効率的に使って管理するかを重視します。
Z世代は、決済に2つの拘りがあります。1つは速さです。QRコードを使った手軽な決済が日常に溶け込む中、オンライン上でも簡便な決済を求める動きが強まっています。もう1つは、効率の良い消費への拘りです。Z世代は、自分の欲しいものや体験を早く効率良く手に入れたいという欲求が強くなっています。BNPLは、事業者が支払いを一旦立て替えるため、手元に十分なお金がなくても物品などを購入できます。
社会保障に対する不安が強い若い世代は、収支に慎重で合理的な消費行動をとります。お得感を追求し、節約に余念がない一方、自分が良いと思うモノや体験にはお金を使う傾向があります。しかし、そんなZ世代でも後払いゆえにお金を使い過ぎて過剰な負担を抱える例が少なくありません。
(2023年3月15日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)