子育て支援企業の増加に向けて

従業員への子育て支援を重視する企業が、地方で拡大しています。男性の育児休業取得率が13%以上などの国の基準を満たした認定企業数は、全国で徳島県がトップで約8%に達しています。認定企業割合が上位の地域は、女性の管理職比率が高い傾向にあります。子育て支援は、人材の採用や定着とともに女性活躍も左右します。
子育てと仕事との両立を支援する制度が手厚い企業を、厚生労働省はくるみんの愛称で認定します。男性社員の育休取得率13%以上など基準が厳しいプラチナくるみんは、2022年度末で全国に548社です。制度が始まった2015年度末の約7倍となり、従業員が50人以上で資本金・出資金3,000万円以上の企業のうち1.7%を占めています。
徳島県はプラチナ認定企業の割合が7.8%と、全国の5倍近くなっています。静岡県が3.4%、奈良県が3.2%で続いています。認定企業は求人や広告でマークを掲げてPRできるほか、助成金の受給や公共調達への加点評価などの優遇があります。
岸田文雄首相は、3月に男性の育休取得率を2025年度に50%、2030年度に85%とする目標を示しました。従来は2025年までに30%でした。厚生労働省によると2021年度は14%です。対応促進へプラチナくるみんでは、男性育休取得率の基準を2022年度から30%以上に引き上げています。企業側も人材確保には踏み込んだ子育て支援策を迫られています。

(2023年5月27日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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