女性の理工系研究者を増やすために

日本は、先進国のなかでもSTEM(科学・技術・工学・数学)人材の育成が遅れています。とりわけ深刻なのは女性比率の低さです。STEM人材は企業などの採用意欲が高く、長くキャリアを積みたい女性が活躍できる余地が存分にあります。女子は理系に向かない・苦手という思い込みで、選択肢を狭めないように魅力を伝える活動が必要です。



2019年の国際数学・理科教育動向調査によれば、調査対象の39カ国・地域の平均点で、中学2年の数学は、男子が488点に対して、女子は491点で女子が高くなっています。日本女子は593点で、日本男子の595点に僅かに及ばないものの、女子は第4位です。IT分野で世界をリードする米国男子の514点を大きく上回っています。

理工系は、女子に向かない、体力が必要といった思い込みや何気ない発言が、女性の意識に刷り込まれ、進路選択に影響を及ぼしています。才能も興味もあるのに、その可能性を閉ざすべきではありません。女性がSTEM分野の仕事を敬遠するのは、将来の働き方を知る手掛かりとなるロールモデルの少なさも関係しています。

(2023年6月8日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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