政府は2030年にも外交官を現在の2割増の8,000人にする目標を設けています。外交官は、自国を代表し、外交任務の資格を持つ職と定義されています。職種として、国家公務員採用試験に合格した総合職と一般職、外務省独自の試験を通過した各言語の専門職があります。
外務省によれば、2023年度の外務省職員の定員は6,604人で、このうち総合職が900~1,000人、一般職が2,000人超、専門職が1,700人程度です。特定の国・地域を長期間担当する専門職を中心に増員し、英国やフランス並みの体制にします。
主要7カ国(G7)メンバーの英仏やドイツは、7,000~9,000人の人員を抱え、米国は日本の4.5倍の3万人程度の職員がいます。中国は9,000人、ロシアは1万2,000人にのぼります。外交官の拡充を進める背景には、国際情勢が急速に変化している事情があります。ロシアによるウクライナ侵攻や中国の経済・軍事面での威圧的な行動で世界の分断が起こり、日本はG7などの米欧各国と価値観を共有する国を増やそうとしています。
(2023年6月28日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)